シリーズ4作目のインジョーカーは女性刑事、監察係の男、暴力団、不良外国人が入り乱れ、大暴れする傑作である。
あらすじ
女性刑事の八神瑛子、監察係の男、警察署長、懲役を終えたばかりの元暴力団員。4人の視点で話は進んでいく。
八神瑛子の視点
情報提供があったおかげで悪党を逮捕することができ、情報の見かえりに外国人女性を探すことになる。しかし、外国人女性は姿を消していて、なかなかたどり着くことができない。事件なのか、それともおかれた環境に辟易し、姿を隠しただけのか……。
監察係の男の視点
八神瑛子を警察組織から排除するため、警察の警察である監察係が動くのだ。「将を射んと欲すればまず馬を射よ」ということで、八神瑛子の仲間をターゲットにするのである。
八神瑛子を裏切ること、八神瑛子の情報を流すこと、ターゲットにされた男性刑事はそれらを強要されるが、かたくなに抗う。しかし、婚約者の過去の弱味を握られていて、どちらかを失うことに煩悶するのだ。
警察署長の視点
派閥争いになるかもしれないことを告げられ、八神瑛子がターゲットになるかもしれないという情報をえる。八神瑛子が排除されないために、陰ながら目を光らせるのである。
元暴力団員の視点
ベトナム人とネパール人を仲間にし、暴力団のフロント企業の金を強盗する。だが、不良中国人グループのドンに教えられていた金額とはちがい、少ない金額を手にすることになる。
そのことで小競り合いになるものの、つぎのフロント企業は大金があることを知り、強盗計画を立てるのだ。
計画どおりに遂行できるのか……。
さいごに
アウトバーン 組織犯罪対策課八神瑛子 (幻冬舎文庫) [ 深町秋生 ]
アウトクラッシュ 組織犯罪対策課八神瑛子2 (幻冬舎文庫) [ 深町秋生 ]
アウトサイダー 組織犯罪対策課八神瑛子3 (幻冬舎文庫) [ 深町秋生 ]
躊躇なく被疑者を殴り、同僚にカネを低利で貸し付けて飼いならし、暴力団や中国マフィアと手を結ぶ―。その美貌からは想像もつかない手法で数々の難事件を解決してきた警視庁上野署組織犯罪対策課の八神瑛子が、外国人技能実習生の犯罪に直面する。日本の企業で使い捨ての境遇を受けたベトナム人とネパール人が、暴力団から七千万円を奪ったのだ。だが、瑛子は夫を殺した犯人を突き止めて以来、刑事としての目的を見失っていた。そんな彼女に監察の手が伸びる。刑事生命が絶たれる危機。それでも瑛子は事件の闇を暴くことができるのか。「このまま、お前も堕ちていくのか?」
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