「このミステリーがすごい!」大賞の隠し玉としてデビューした、志駕晃氏の2作目!
デビュー作の『スマホを落としただけなのに (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)』(映画化、公開予定日は2018年11月2日)がおもしろかったので、『ちょっと一杯のはずだったのに』を期待して読んだのである。
ラジオ番組のパーソナリティをつとめる人気漫画家の女性が、マンションの一室で殺害されていた。上半身は裸、下は下着のみ、首には黄色のネクタイという姿で発見された。
第一発見者は恋人の男性だ。死亡推定時刻に会っている。だが泥酔していたせいで、そのときの記憶がまったくないのである。
24時間、管理人が常駐している。なおかつ防犯カメラも設置されている。それにオートロックである。玄関と窓の鍵はすべて施錠されていたのだ。
つまり、密室殺人なのである。
管理人、マンションの住人、恋人の男性、これらの人間でなければ殺害することができない。恋人の男性は記憶がなく、なん度も刑事に事情を訊かれた結果、徐々に自分が犯人なのではないかと自問しはじめる。
弁護士に相談するが、「泥酔していたなら刑法39条を主張できる」とか「SMの趣味があったなら、その延長で殺してしまったのであれば傷害致死罪」とか……そのように無罪でなく、犯人だと決めつけられるのである。
わたしは下戸なので、酒を呑んで記憶をなくす人のことは理解できない。この記事を読んでいる人のなかに記憶をなくすほど呑む人は、『ちょっと一杯のはずだったのに』と後悔しないようにしてほしいものである。
そして結末を知ったとき、女性の強さを再確認するだろう。


2019年8月現在の最新刊である「オレオレの巣窟」がかなりおすすめ!

ついでに下記の3つの記事を見ていだければ幸いである。きっと読みたくなるミステリー小説を見つけることができるだろう。



秋葉原FMの人気パーソナリティの西園寺沙也加が殺された。彼女に最後に会ったのは、ラジオディレクターで沙也加の恋人でもある矢嶋直弥だった。死体の首には、矢嶋が沙也加から貰ったものと同じネクタイが巻かれており、警察は矢嶋を疑う。矢嶋は否定するも、泥酔して記憶がない。さらに殺害トリックを暴けない警察からは「お前が作った密室現場の謎を解け!」と迫られ…。
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