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【書店猫ハムレット・シリーズ】の5作目『書店猫ハムレットの挨拶』

アリ・ブランドン氏の書店猫ハムレットの挨拶という本海外ミステリー
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アリ・ブランドン氏の『書店猫ハムレット・シリーズ』の1作目は未翻訳のため、シリーズの2作目から読まなければならない。いろいろな事情があるのだろうが、シリーズものは1作目から刊行してほしいものである。

そして、どのような物語なのかというと、人物たちが事件の謎を解くのではなく、ハムレットの出したヒントの意味を解明するというコージー・ミステリーである。

犯人を示唆するような表題や内容の書物を、猫が書棚から落とすというのは非現実的である。しかし、ハムレットという個性的な猫の描写を織り交ぜることで、ファンタジーにならないようにしているのだろう。

ということで、そのような話が好きな人はこの記事を参考にして、『書店猫ハムレット・シリーズ』を読んでいただければ幸いである。

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1.書店猫ハムレットの飛躍

作中でエドガー・アラン・ポーの名作『モルグ街の殺人』のネタバレがある。名作中の名作だからといって、こういうことはやめたほうがいいだろう。未読の人は気をつけていただきたい。

そして本作の内容は、事件の近くにいるダーラたちを安易に素人探偵にしないところはユニークであり、二重構造の謎解きが物語に現実味を与えている。

それに、予想できない結末なので、楽しませてくれる作品である。

4.5

ニューヨーク、ブルックリンの書店を大叔母から相続した、三十代半ばのダーラ。堂々と書棚を徘徊し、緑色の目で冷たく客を睥睨する黒猫ハムレットが店のマスコットだ。ある日、ダーラは近所の工事現場で常連客の死体を発見してしまう。その脇には動物の足跡が。最近、夜に外を出歩いているらしいハムレットのものなのか?名探偵猫ハムレット登場の、コージー・ミステリ第一弾。

2.書店猫ハムレットのお散歩

犯人捜しと犯行動機。どちらもミステリーとして完成度はそれほど高くない。

だが、主人公をめぐる人々、猫と犬のストーリー、そのふたつをからませた本作はテンポよくすすむ。そのため読みやすいだろう。

3.5

ダーラが経営するニューヨークの書店のマスコット、黒猫ハムレットの元気がない。猫のセラピストに診てもらうと、最近の自分を出来損ないのように感じているという。あのふてぶてしいハムレットがそんなふうに思っているなんて!愕然とするダーラだったが、通っている武術道場でさらに驚きのできごとが起きて…。名探偵(かもしれない)黒猫が大活躍するコージー・ミステリ。

3.書店猫ハムレットの休日

謎解きの部分は前作、前々作以上に薄い。そしてリゾート地を舞台にした本作は、コージー・ミステリーというより、アクションコメディといった味わいである。

2.5

ハムレットは、ダーラが経営するニューヨークの書店の気むずかしいマスコット猫。空手大会に出場したダーラの動きを真似る動画がネットで拡散し、ハムレットは空手キャットとして一躍人気猫になり、おかげで全米キャット・ショーに特別ゲストとして招かれることに。しかし、会場でその身に一大事件が勃発!書店を飛び出した書店猫が大活躍の大人気コージー・ミステリ第三弾!

4.書店猫ハムレットのうたた寝

ご近所の商店主たちの複雑な関係のこと、独立記念日パーティーのこと、それらが半分を占めている。相変わらずである。

ついでに、ミステリー部分はおまけ的なところがあり、前半はほとんどなにも起きないので辟易してしまう人がいるかもしれない。

3.5

ダーラが経営する書店にコーヒー・バーができて四か月。店員のロバートが淹れるラテが好評だ。さらに、ダーラが企画した地域のお祭りの準備も着々と進行中。一方で、書店のマスコット猫のハムレットは相変わらず店の好きなところで寝たり、店内を堂々と闊歩したり。そしてお祭り当日、イベントが無事に終了するかと思いきや、コーヒー・ショップの店主の妻が死体で見つかった! 黒猫探偵の推理が冴える、楽しいコージー・ミステリ!

5.書店猫ハムレットの挨拶

最終作にしては地味であり、ラストも微妙なのである。たぶん、作者はこのシリーズを書くことに飽きてしまったのではないだろうか……。

3.0

稀覯本のオンラインショップやコーヒー・バーが順調なニューヨークの書店。オーナーのダーラは、書き入れどきの感謝祭を目のまえに張り切っていた。片や書店のマスコットの黒猫ハムレットは、相変わらず気ままに店内で昼寝したり、シャーと威嚇したり。充実した日々を送っていたダーラだが、近所でとんでもない事件が発生してしまい…。大人気の黒猫名探偵シリーズ、完結編!

けっきょく、原作の一作目は翻訳されないまま終わるようだ。わたしがこのシリーズを読みつづけたのは、翻訳1作目の『書店猫ハムレットの飛躍』を上回る作品に出会えることを期待していたからである。

しかし、その願いは叶わなかった。それでも、コージー・ミステリーや猫が好きな人であれば、それなりに楽しめるシリーズ作だと思う。

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