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大沢在昌氏の『漂砂の塔』

大沢在昌の漂砂の塔という本国内ミステリー
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レアアースを生産する合弁会社が北方領土にある。領土を主張するロシア、生産技術の中国、エネルギー供給の日本、この3か国が合弁会社に携わっている。

その島で両目を抉られた日本人の死体が発見されたため、中国語とロシア語をしゃべることができる石上(イシガミ)が、ひとりで北方領土にいくのである。事件の真相をつきとめることと、つぎの殺人を阻止することを上司に指示されたが、

捜査権なし
武器なし
ピンチになったとき、仲間を呼ぼうとしてもすぐに駆けつけてくれない

この設定でおもしろくないわけがない。

それに、ロシア人の美人医師、飲食店や売春宿を経営するロシア人、中国安全部の男など、それらの登場人物が魅力的なのである。全員が敵なのか、それとも数人は味方なのか、それぞれの思惑が垣間見え、主人公の石上と読者は疑心暗鬼になり翻弄されるのだ。

そして、ピンチが訪れるのである。島にくるまえ、石上はロシア人マフィアのグループに潜入していたが、ターゲットを逮捕することができなかった。そのマフィアが島にあらわれ、殺害することを石上に予告する。

身の危険を感じた石上は上司に報告し、東京にもどることを指示されるが……あることが理由で島をでられなくなる。挙げ句の果てに、ふたりの殺し屋が石上を殺害するために島に向かっていることを知るのだ。

これ以上、内容にふれると……未読の人が楽しめなくなってしまいそうなので、ここらあたりで書くのをやめておく。

650ページほどの長い作品だが、おもしろいのでいっきに読むことができるだろう。

【新宿鮫シリーズ以外の文庫本】大沢在昌氏のおすすめ9作品!
今回は、大沢在昌氏の「新宿鮫シリーズ」だけを読んだ人や、大沢在昌氏のことをなにかで知ったが、どの作品を手にしたらいいのかわならない人に向けて書いたのである。そして、大沢氏のハードボイルド小説を堪能するために、すこしでも参考になればうれしい。

2022年、雪と氷に閉ざされた北方領土の離島。
日中露合弁のレアアース生産会社「オロテック」で働く日本人技術者が、死体となって発見された。
凍てつく海岸に横たわる死体。何者かに抉りとられていた両目。
捜査権がなく、武器も持てない土地に送り込まれたのは、ロシア系クォーターで中国語とロシア語が堪能な警視庁の石上(イシガミ)だった。
元KGBの施設長、美貌の女医、国境警備隊の若き将校、ナイトクラブのボス……
敵か、味方か? 信じられるのは、いったい誰だ?
日中露三ヵ国の思惑が交錯し、人間たちの欲望が渦を巻く!

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