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【ポストカプセル】折原一氏/騙りの名手の傑作!

折原一氏のポストカプセルという本国内ミステリー
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ラブレター、謝罪文、脅迫状、小説新人賞の受賞通知などの手紙を15年後に届けたら、受けとった人はどのような反応をするのか?

悲しんだり憤りを感じたり様々な反応があり、大きな事件に結びつく。ひとつひとつの事件の裏を理解したとき、きっと読者は驚愕するだろう。

【目次】
  • プロローグP5〜
  • 再会P9〜
  • 遺書P53〜
  • 礼状P99〜
  • 脅迫状P147〜
  • 受賞作なしP191〜
  • 待ち人来(きた)らずP239〜
  • 最後の手紙P285〜
  • 告白P335〜
  • エピローグP357〜

わたしが気にいった3つの話を書いていくことにする。

1.再会

男性からのラブレターが女性に届くのである。付き合いたいので、OKの場合は指定された場所に指定された日時に来てほしい。来てくれなかった場合は答えがNOであると判断してあきらめます。そのような内容である。

女性は消印を見ていなかったため、15年前に投函されたことに気づいていないのだ。

指定された場所と時間に行ってみたが、男性はいなかった。そのことに腹を立て、いたずらだったと思いこむのである。おちょくられたと勘ちがいし、怒り心頭に発した女性は手紙を送りかえすのだ。

手紙が送られてきた男性は困惑する。当然だ。15年まえに書いた手紙の返信が届いたのだから……。

男性は結婚していることを手紙に書いて送るが、それが火に油を注ぐことになる。ラブレターを送っておいて、ほかの女と結婚した?

徐々に深みにはまっていった結果、予想外の結末にいたるのである。

2.遺書

15年まえに失踪した息子から手紙が届いた。好意を寄せている女性の夫がDV男だった。そいつを殺したあと、あるところで自殺するという内容である。

母親は15年まえの手紙だということは知らず、息子を殺人犯にさせないために、DV夫が住んでいる家に向かうのだ。

「息子があなたの夫を殺害しようとしている」と息子が好意を寄せている住人の女性に警告する。

しかし、「私の夫は強いので大丈夫ですよ」と一蹴されてしまうのである。

そのあと、母親の周辺でおかしなことが起こりはじめる。15年のあいだ、1度も連絡をしてこなかった息子が電話をかけてくるのだ。

お金を払わないとやくざに殺されてしまうという内容だった。母親は息子を装ったオレオレ詐欺のたぐいであると推測する。だが、異変に気づくのである。

あの家にいった直後から、不審な電話がかかってくるようになったことを……。さいごまで読んだとき、読者は必ずおどろかされることだろう。

3.受賞作なし

小説の新人賞を受賞したという手紙が息子宛てに届くのである。それを読んだ父親は激怒する。どうして15年後に届けられたのだ?

もし、15年まえに届いていたら、息子は不幸になっていなかったのに……。出版社に赴いて真相を訊ねることにしたが、十五年後に届く「ポストカプセル」というものはわからないと言われるのだ。

出版社の倉庫をさがしてみたが、息子の作品は保管されていなかった。どのレベルの作品が受賞しているのかを確認するために、過去の受賞作を読むことにしたのである。

そのあと息子の部屋をさがし、受賞するはずだった作品を見つける……。

しかしその結果、息子の作品が盗作されていることに気づくのだ。

結末にたどり着いたとき、読者はほほえんでしまうことだろう。

さいごに

短編集のベスト5に入るほどの傑作である。最後のほうまで読んでいくと、

「えっ」
「えっ」
「えっ」

と連発することだろう。

15年遅れで届いた手紙が、思いもよらない騒動を引き起こす!心温まるはずの善意の企画(?)の裏に、驚愕の真相が…!?

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