7作目である「暗殺者の潜入」のことを書くまえに、グレイマン・シリーズの順番を記載しておくことにする。このシリーズを読んだことがなく、最初に本作を手にとったとしても楽しむことはできるだろう。だが、より楽しむために以下の6作を読んでおくことをおすすめする。
暗殺者グレイマン・シリーズの順番
このようにつづき、今作の「暗殺者の潜入」にたどり着くのである。
暗殺者の潜入のあらすじと感想
武装したISISの戦士たちが、捕虜を処刑するとことから物語がはじまる。だが途中で描写が終わり、『「1」一週間前』の場面に切りかわる。
主人公のコートランド・ジェントリーはグレイマンと呼ばれる暗殺者である。舞台はフランス。そのグレイマンが依頼人と墓地で会い、モデルの女性を連れてくることを依頼されるのだ。モデルの女性は複数のボディガードに囲まれて行動しているため、宿泊先に忍びこみ連れだそうと計画する。
しかし連れだす直前、襲撃者があらわれ、つぎつぎと女性のボディガードを殺害していく。このままではモデルの女性も殺害され、計画を遂行することができない。そのようなピンチを回避して連れだすことに成功したが、グレイマンはハメられたと思いこむのである。
そして、女性を依頼人のもとへ送りとどけて終わったと思いきや……。
モデルの女性はシリア大統領の愛人で、依頼人はシリアから亡命してきた夫婦である。女性を協力者にするために連れだしたが、息子(乳幼児)をシリアに残してきたから協力せずに帰るという。
そのころシリアでは、大統領夫人と銀行のコンサルタントの男、このふたりがあることを画策していた。夫人には息子がいないため、大統領に家を追いだされるかもしれない。愛人を本妻にし、息子を継承者にするために……。
そのように危惧した夫人は、愛人を抹殺することを企てるのだ。愛人関係であるコンサルタントの男に、モデルの女性を殺害するように依頼する。
夫人が追い出されることになった場合、コンサルタントの仕事はなくなり、愛人関係だったことも露見して破滅する。そのため、コンサルタントの男は依頼を遂行するしかないのである。しかし同時に、モデルの女性を救出することを大統領から依頼されるのだ。
板ばさみになったコンサルタントの男は、救出するふりをして殺害することを企み、フランスへいくのである。
そして、グレイマンはモデル女性の息子を連れてくるために、フランスから内紛状態のシリアへ旅立つのだ。
さきを読むことは困難であり、ハラハラしながら読みすすめることになるだろう。題名の一部が「暗殺者の」となっているので、読んだことがない人は悪人を思いうかべてしまいそうだが、グレイマンは根っからの悪人ではない。無償で内紛状態のシリアに他人の子どもを助けにいくのだから……。
読後感は悪くなく、おもしろい作品だ。おすすめである。
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“グレイマン(人目につかない男)”と呼ばれる暗殺者ジェントリーは、パリにあるシリアの亡命者組織から仕事を依頼された。それは、シリアの独裁者アッザムの愛人ビアンカを拉致することだった。彼女が握る機密情報を公表し、独裁政権を倒そうというのだ。予期せぬ勢力から襲撃されるが、拉致は成功した。だが、ビアンカの協力を得るには、彼女とアッザムの間にできた愛する息子を、シリアから連れ出さなければならなかった。
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