海外の小説が苦手な人は多いかもしれない。だが、毛嫌いして読まないのはもったいないことである。
いまから紹介する作品を読んでいただければ、新しい扉をひらくことができるだろう。夢中になって読みふけった結果、寝不足にならないように注意してほしい。
CWA賞、ガラスの鍵賞など5冠獲得した作品である。時効が成立した事件の犯人をどのように罰するかという内容だ。
きれい事で終わらないので、激しく賛否がわかれるだろう。だからこそ、傑作なのである。
国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。そんな彼に主治医が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。9歳の少女が暴行の上殺害された事件。だが、事件は時効になっていた。ラーシュは相棒だった元刑事らを手足に、事件を調べ直す。スウェーデンミステリの重鎮による、CWA賞インターナショナルダガー、ガラスの鍵賞等五冠に輝く究極の警察小説。
『笑う警官』のつぎの作品であり、シリーズ5作目である。50年ほどまえの作品だが、古さを感じることはない。
しかし、残りの5作品の出版予定が休止されたため、わたしは立腹している。旧訳版をすべて読んでいるが、人に借りて読んだので所有していない。
途中で休止するなんてひどすぎる!べつの出版社でもいいので、のこりの5作品を出版してほしいと思っている。
厳寒のストックホルム。警察が監視中のアパートが突如、爆発炎上した。任務についていたラーソン警部補は住人を救うべく孤軍奮闘するが、出動したはずの消防車が一向に到着しない。焼死者の中には、ある事件の容疑者が含まれていた。刑事マルティン・ベックは捜査を進めるうち、この火災に奇妙な点があると気づく。やがて捜査陣の前に浮かび上がってきたのは、意外な犯罪の構図だった―。警察小説の金字塔シリーズ、第五作。
感が鋭い人は注意したほうがいい。下調べをするだけで結末を推測できてしまう可能性があるし、ネタバレしているサイトがあったりするからである。
推測できたとしても傑作なのはまちがいない。
だがより楽しんでいただくために、わたしはいっさい内容にふれない。
English Edition
- 【Amazon】『The Kind Worth Killing』
- 【Kindle】『The Kind Worth Killing: A Novel (English Edition)』
空港のバーで離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに出会う。彼は酔った勢いで、妻のミランダの浮気を知ったことを話し「妻を殺したい」と言ってしまう。リリーはミランダは殺されて当然だと断言し、協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の策略と攻防を描く傑作ミステリ!
どの作品も最高におもしろいので、未読の人は読んでいただければうれしいのである。


コメント