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中山七里氏のTAS特別師弟捜査

中山七里氏のTAS特別師弟捜査員という本国内ミステリー
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『TAS特別師弟捜査員』を紹介するまえに、さきに2作品を紹介する。どちらも2018年に刊行された作品である。

1.連続殺人鬼カエル男ふたたび

 
中山七里氏のカエル男ふたたびという本

凄惨な場面を書かせたら、中山七里氏はピカイチだ。そのような場面がところどころにあるため、苦手な人は読まないほうがいいだろう。

前作を読んでいなくても楽しむことはできるが、『連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)』を読まないのはもったいない。未読の人はこちらをさきに読むことをおすすめする。

凄惨な殺害方法と幼児が書いたような稚拙な犯行声明文、五十音順に行われる凶行から、街中を震撼させた“カエル男連続猟奇殺人事件”。それから十ヵ月後、事件を担当した精神科医、御前崎教授の自宅が爆破され、その跡からは粉砕・炭化した死体が出てきた。そしてあの犯行声明文が見つかる。カエル男・当真勝雄の報復に、協力要請がかかった埼玉県警の渡瀬&古手川コンビは現場に向かう。さらに医療刑務所から勝雄の保護司だった有働さゆりもアクションを起こし…。破裂・溶解・粉砕。ふたたび起こる悪夢の先にあるものは―。

2.能面検事

 
中山七里氏の能面検事という本

『カエル男ふたたび』のあとに読んでしまうと、薄味すぎて満足できないだろう。それを差し引いても、内容は薄いのである。伝えたいことはわからなくはないが、極端な内容なので首をかしげてしまった。「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」ということだろう。

不破のキャラは嫌いではないのだが……

巷を騒がす西成ストーカー殺人事件を担当している、大阪地検一級検事の不破俊太郎と新米検察事務官の惣領美晴。どんな圧力にも流されず、一ミリも表情筋を動かすことのない不破は、陰で能面と呼ばれている。自らの流儀に則って調べを進めるなかで、容疑者のアリバイは証明され、さらには捜査資料の一部が紛失していることが発覚。やがて事態は大阪府警全体を揺るがす一大スキャンダルへと発展し―警察内から裏切りと揶揄される不破の運命は、そしてストーカー事件の思いもよらぬ真相とは―大阪地検一級検事・不破俊太郎。孤立上等、抜き身の刀、完全無欠の司法マシンが、大阪府警の暗部を暴く!

TAS特別師弟捜査員の目次とあらすじ

【目次】
  • 1.警察故事P5〜
  • 2.師弟出馬P69〜
  • 3.龍兄虎弟P132〜
  • 4.ダブルミッションP195〜
  • 5.奇跡P257〜

章立てになっているが、長編小説である。高校を舞台にした本作の冒頭は、女子生徒が転落死するのだ。成績は学年トップクラス、美女、医師のひとり娘という非の打ちどころのない女子生徒が死んだのは、事故なのか自殺なのか、それとも殺害されたのか……。

その真相を追うのが、同級生の男子生徒である。そして、羨望の的となっていた女子生徒が違法行為に手を染めていたことを知ってしまう。それからは従兄弟の刑事とコンビを組み、転落死した女子生徒は演劇部だったため、男子生徒が演劇部に入部して潜入捜査をするのである。

感想

人からの評価は、過小評価されているくらいのほうがいいのだ。評価がさがることを阻止するために、躍起にならなければならない。本来の自分を隠し、期待に応えるようにふるまうのは大変なことである。

そのプレッシャーに押しつぶされて自分を見失ったり、羨望が嫉妬に変化して標的にされたりする。ろくなことにならない……。

自分を大きく見せようとするのは最悪だろう。そのようなことを教えてくれる、青春ミステリー作品である。

「ねえ。慎也くん、放課後ヒマだったりする?」楓から突然声をかけられた慎也は驚いた。楓は学園のアイドルで、自分とは何の接点もないからだ。用件を言わず立ち去る楓を不審に思いながらも、声をかけられたことで慎也の胸は高鳴っていた。彼女が校舎の3階から転落死するまでは―。学校は騒然となり、さらに楓が麻薬常習者だったという噂が流れる。警察の聞き取り調査が始まった。そこに現れたのは、慎也の従兄弟で刑事の公彦。公彦は、転落死の真相を探るため、教育実習生として学園に潜入することを決める。一方の慎也も、楓が所属していた演劇部に入部し、楓の周辺人物に接触を図る。なぜ楓は、慎也を呼び出したのか―。慎也と公彦は、真相解明に挑む。“どんでん返しの帝王”が新たに仕掛けるバディ×学園ミステリ!

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