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【乱反射ドラマ化】貫井徳郎氏の『乱反射』を含むおすすめ8作品!

波紋と光おすすめ作品
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貫井徳郎氏の『乱反射』が映像化され、(2018年9月22日22時15分から)放送される。そのことを知ったときのわたしは、「なんでいまさら?」と思ったが、傑作の『乱反射』が再注目されるのはうれしいことである。

そして、ほかの作品もおもしろいことを知ってほしいため、貫井氏のおすすめ作品を紹介していきたいと思う。

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1.乱反射

まずはこの作品から。貫井氏の作品のなかで1.2をあらそう作品だと、わたしは思っている。メッセージ性の強い、重たい作品を好む人におすすめである。

地方都市に住む幼児が、ある事故に巻き込まれる。原因の真相を追う新聞記者の父親が突き止めたのは、誰にでも心当たりのある、小さな罪の連鎖だった。決して法では裁けない「殺人」に、残された家族は沈黙するしかないのか?第63回日本推理作家協会賞受賞作。

2.慟哭

デビュー作である。貫井氏の作品を読んだことがない人であれば、この作品を最初に読むことが定石だろう。

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。こうした緊張下で事態は新しい方向へ!幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、人間の内奥の痛切な叫びを、鮮やかな構成と筆力で描破した本格長編。

3.悪党たちは千里を走る

貫井氏の作品のなかでもっとも万人うけする作品だと思う。重たくなく、ユーモアありの傑作である。貫井氏の作品をある程度読んだあとにこの作品を読むと、より楽しめるだろう。いい意味で貫井氏らしくない作品だからである。

「真面目に生きても無駄だ」。しょぼい騙しを繰り返し、糊口を凌ぐ詐欺師コンビの高杉と園部。仕事先で知り合った美人同業者と手を組み、豪邸の飼い犬を誘拐しようと企てる。誰も傷つけず安全に大金を手に入れるはずが、計画はどんどん軌道をはずれ、思わぬ事態へと向かってしまう―。スピーディな展開と緻密な仕掛け。ユーモアミステリの傑作。

4.空白の叫び

様々な事情をもった3人の少年が、犯罪に手を染めてしまう物語である。文庫本だと上中下とあり長い作品だが、そのことを忘れて夢中になることができる作品だろう。

「普通の中学生」がなぜ殺人者になったのか
 
久藤美也は自分の容姿や頭脳が凡庸なことを嫌悪している。頭脳は明晰、経済的にも容姿にも恵まれている葛城拓馬だが、決して奢ることもなく常に冷静で淡々としている。神原尚彦は両親との縁が薄く、自分の境遇を不公平と感じている。
 
〈上巻〉第一部ではこの3人の中学生が殺人者になるまでを、その内面を克明にたどりながら描く。その3人が同じ少年院に収容されて出会うのが第二部。過酷で陰湿な仕打ちで心が壊されていく中、3人の間には不思議な連帯感が生まれる。
 
〈下巻〉第三部。少年院を退院した彼らはそれぞれ自分の生活を取り戻そうとするが、周囲の目は冷たく、徐々に行き場をなくしていく。そして、再び3人が出会う日がくる。 少年犯罪を少年の視点から描いた、新機軸のクライムノベル。

5.灰色の虹

冤罪をテーマにした作品である。まっすぐな正義は、ときとしてだれかを傷つけてしまうかもしれない。そのようなことを教えてくれる作品だろう。

身に覚えのない上司殺しの罪で刑に服した江木雅史。事件は彼から家族や恋人、日常生活の全てを奪った。出所後、江木は7年前に自分を冤罪に陥れた者たちへの復讐を決意する。次々と殺される刑事、検事、弁護士。次の標的は誰か。江木が殺人という罪を犯してまで求めたものは何か。復讐は決して許されざる罪なのか。愛を奪われた者の孤独と絶望を描き、人間の深淵を抉る長編ミステリー。

6.修羅の終わり

1.2をあらそう作品の、もうひとつのほうである。読解力を試される作品であり、終焉間際にいっさい説明がないので、熟読することをおすすめする。

連続交番爆破事件に関与する組織を内偵する公安刑事久我、秘密売春組織を単独捜査する西池袋署刑事鷲尾、新宿路上に倒れ記憶喪失になった青年。三者三様の物語に途方もない暴力と欲望が渦巻く、危険な香り漂う大長編サスペンス。貫井徳郎初期集大成ともいえる傑作ミステリーを、待望の新装版として再刊行!

7.我が心の底の光

恵まれていない主人公の物語である。裏社会に身をひそめ、ひっそりと復讐していく。短編のように、色々な年齢のときに起こったことを描いている。最後の2行を読むために、この小説を読んでもらいたい。

母は死に、父は人を殺した―。五歳で伯父夫婦に引き取られた峰岸晄は、中華料理店を手伝いながら豊かさとは無縁の少年時代を過ごしていた。心に鍵をかけ、他者との接触を拒み続ける晄を待ち受けていたのは、学校での陰湿ないじめ。だが唯一、同級生の木下怜菜だけは救いの手を差し伸べようとする。数年後、社会に出た晄は、孤独の中で遂にある計画を実行へと移していく。生きることに強い執着を抱きながらも、普通の人生を捨てた晄。その真っ暗な心の底に差す一筋の光とは!?衝撃のラストが心を抉る傑作長編。

8.宿命と真実の炎

西條シリーズの第2作目である。1作目は『後悔と真実の色 (幻冬舎文庫)』だ。貫井氏らしい終わらせ方なので、読後感はよろしくない。しかし、そのようなオチが好きな人にはたまらないだろう。

幼い日に、警察沙汰で離れ離れになった誠也とレイ。大人になって再会したふたりは、警察への復讐を誓い、その計画を着実に遂行する。一方、事故か他殺か判然としない警察官の連続死に、捜査本部は緊迫する。事件を追う所轄刑事の高城理那は、かつて“名探偵”と呼ばれた西條の存在を気にしていた。スキャンダルで警察を去り、人生が暗転した男。彼だったらどう推理するのか―。

さいごに

どの作品も傑作である。ぜひ、一読を……。

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