この記事は、海外ミステリーをほとんど読んだことがない人に向けて書いたのである。そのため有名な作品ばかりなので、海外ミステリーを読みなれた人にとってはつまらないかもしれない。
そのような場合、
2019年上半期のおすすめ海外ミステリーは、下記の記事にまとめたのでついでに読んでいただければ幸いである。

そのまえに、2018年のおすすめ海外ミステリーは、
↓↓↓こちら↓↓↓

そして、2019年下半期の7月31日に発刊された『刺青強奪人』がかなりおすすめなので、未読の人は絶対に手にとってほしいのだ。詳しくは下の記事をどうぞ!

ということで、12冊の海外ミステリー小説を紹介していく。
「まぼろ〜し〜」と、IKKOさんも言うだろう。それほどおもしろい作品である。
妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。彼は気晴らしにその女を誘って食事をし、劇場でショーを観て、酒を飲んで別れた。その後、帰宅した男を待っていたのは、絞殺された妻の死体と刑事たちだった!迫りくる死刑執行の時。彼のアリバイを証明するたった一人の目撃者“幻の女”はいったいどこにいるのか?最新訳で贈るサスペンスの不朽の名作。
詐欺師に仕返しをするという物語である。100万ドル以上でも以下でもなく、きっちり100万ドルをとりかえすために、4人の男が頭脳のかぎりを尽くすのだ。読後感は悪くなく、勧善懲悪ものが好きであれば楽しめるだろう。
【English Edition】
【Amazon】『Not A Penny More, Not A Penny Less (Pan 70th Anniversary, 16)』
【Kindle】『Not a Penny More, Not a Penny Less (English Edition)』
大物詐欺師で富豪のハーヴェイ・メトカーフの策略により、北海油田の幽霊会社の株を買わされ、合計百万ドルを巻きあげられて無一文になった四人の男たち。天才的数学教授を中心に医者、画商、貴族が専門を生かしたプランを持ちより、頭脳のかぎりを尽くして展開する絶妙華麗、痛快無比の奪回作戦。新機軸のエンターテインメントとして話題を呼ぶ“コン・ゲーム小説”の傑作。
このシリーズをおもしろくないと言う人はいるのだろうか。いるのであれば会ってみたい。
そしてこの作品を読んだあと、おもしろかった場合、下記の記事に順番と
(すべてのEnglish Editionのリンク)を記載してあるので、そちらを参考にしていただければ幸いである。


下記のふたつのシリーズもかなりおすすめ!


骨の折れる音に耳をすますボーン・コレクター――すぐには殺さない。
名探偵リンカーン・ライムの登場を告げる名作。
空港に降り立ったばかりの男女が姿を消し、一人が死体で発見された。ニューヨーク市警が捜査協力を要請したのはリンカーン・ライム、事故で脊椎を損傷して四肢麻痺の状態にある科学捜査の天才である。自死を考えていたライムだったが、この依頼に生きる目的を見出し、刑事アメリアを自身の手足として、綿密な捜査を開始する。遺体の発見現場で見つかったのは第二の被害者の手がかりを示す犯行予告だった。そこに記されたデッドラインまでに被害者の監禁場所を探り出し、救出することはできるのか? ニューヨークの地下を動き回る狡知な殺人鬼ボーン・コレクターVS四肢麻痺の名探偵。熾烈な頭脳戦の果てに姿をあらわす、あまりに意外な犯人。「ドンデン返しの魔術師」ディーヴァーが誇る名シリーズ、記念すべき第一作!
被害者を捜す物語である。四人の女性の描きわけ方がうまく、構成もしっかりしている。そして読了したとき、きっとおどろかされることだろう。
前妻、現夫人、愛人、そしてフィアンセ―人気絶頂のコラムニスト、ラリーを取り巻く四人の女性。彼はひそかに自宅バルコニーの手摺に細工し、四人をディナー・パーティに招いた。ラリーには、そのなかの一人を殺さねばならない切実な理由があったのだ…。一作ごとに趣向を凝らす才人マガーが、犯人ならぬ「被害者捜し」の新手に挑んだ、いつまでも色あせない傑作ミステリ。
パリの街で夜毎、路上に青チョークで円が描かれ、その中に様々なガラクタが置かれるという奇妙な出来事が続いていた。蝋燭、人形の頭、クリップ…。変わり者の哲学者の仕業か?しかし、ある朝、そこにあったのは喉を切られた女性の死体だった。「BOOK」データベースより抜粋
上記の文章を読んでも、魅力を感じないだろうか。
そして、
この装丁である。怖すぎる!なぜ、青色のチョークで路上に円を描くのか?なぜ、そのなかにガラクタを置きつづけたあと、女性の死体を置いたのか?おもしろい作品なので、楽しんでいただきたい。
パリの街で夜毎、路上に青チョークで円が描かれ、その中に様々なガラクタが置かれるという奇妙な出来事が続いていた。蝋燭、人形の頭、クリップ…。変わり者の哲学者の仕業か?しかし、ある朝、そこにあったのは喉を切られた女性の死体だった。そして、また一つ、また一つ死体が…。警察署長アダムスベルグが事件に挑む。仏ミステリ界の女王による大人気シリーズ第一弾。
いやミスの真骨頂である。
「えっ!ここで終わるの?」
と叫んでしまうことだろう。胸糞が悪くなるので、覚悟して読むことをおすすめする。
翻訳の仕事をする知的で打算的なドイツ人女性ヒルデガルデ、34歳独身。彼女が見つけた新聞の求縁広告は“莫大ナ資産アリ。ナルベクはんぶるく出身ノ未婚ノ方、家族係累ナク…”というものだった。こうしてすべてが始まった。そして彼女は億万長者の妻の座に。しかしそこには思いも寄らぬ罠が待ち受けていた。精確無比に組み立てられた完全犯罪。ミステリ史上に燦然と輝く傑作。
いっさい無駄のない、計算されつくされた展開におどろかされるはずである。
【English Edition】
【Amazon】『How Like an Angel』
【Kindle】『How Like an Angel (English Edition)』
山中で交通手段を無くした青年クインは、“塔”と呼ばれる新興宗教の施設に助けを求めた。そこで彼は一人の修道女に頼まれ、オゴーマンという人物を捜すことになる。だが彼は五年前、謎の死を遂げていた。平凡で善良な男に何が起きたのか。なぜ外界と隔絶した修道女が彼を捜すのか。私立探偵小説と心理ミステリをかつてない手法で繋ぎ、著者の最高傑作と称される名品が新訳で復活。
『羊たちの沈黙』を知らない人はいないだろう。
- 『レッド・ドラゴン〔新訳版〕 上 (ハヤカワ文庫NV)』
『レッド・ドラゴン〔新訳版〕 下 (ハヤカワ文庫NV)』 - 『羊たちの沈黙(上) (新潮文庫)』
『羊たちの沈黙(下) (新潮文庫)』 - 『ハンニバル(上) (新潮文庫)』
『ハンニバル(下) (新潮文庫)』 - 『ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)』
『ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫)』
上記のような順番であり、『レッド・ドラゴン』が1作目だ。このなかで絶対に読んでおきたい最高傑作である。
- 【Amazon】『Red Dragon (Hannibal Lecter Series)』
- 【Amazon】『Silence Of The Lambs: 25th Anniversary Edition (Hannibal Lecter)』
- 【Amazon】『Hannibal: (Hannibal Lecter)』
- 【Amazon】『Hannibal Rising: (Hannibal Lecter)』
【Kindle】『Red Dragon (Hannibal Lecter Book 1) (English Edition)』
【Kindle】『The Silence of the Lambs (Hannibal Lecter Book 2) (English Edition)』
【Kindle】『Hannibal: A Novel (Hannibal Lecter Book 3) (English Edition)』
【Kindle】『Hannibal Rising (Hannibal Lecter Book 4) (English Edition)』
満月の夜に連続して起きた一家惨殺事件。遺体に噛み痕を残す犯人“歯の妖精”―次の満月にまた凶行が?元FBI捜査官のグレアムは犯人像の手がかりを得ようと、犯罪者病院に収容されている殺人鬼にして精神科医レクター博士に助言を求める。悪には悪をもって…。が、グレアムが博士の収容先を訪ねたことで、“歯の妖精”が刺激され―醜く、そして美しく、超人的狂気が混沌とする究極のサイコ・ワールド。
ピエール・ルメートル氏の作品にはハズレがない。この『死のドレスを花婿に』を読めば、おもしろいことはわかると思う。そのあとに、
『カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ』の3作品を、上から順番に読むことをおすすめする。

わたしは『その女アレックス』を最初に読んでしまった。そのため順番どおりに読むことができず、損した気分になったのだ。
どの作品も未読なら、『死のドレスを花婿に』を最初に読んだあと、『カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ』を順番どおりに読むことができれば、最高に楽しむことができるだろう。
【関連記事】
とくに『監禁面接』がおすすめ!かなりおもしろい作品である。
『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス
狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。
ソフィーは怯えていた。かつては優秀なキャリアウーマンだった彼女には秘密があった。ときに奇行を起こし、そのことをまるで記憶していないのだ。そのせいでソフィーは職も地位も失ったのだった。自分は正気を失ったのか。恐怖を抱えながらも、高名な政治家の家でベビーシッターをつとめるソフィーだったが、ある日、決定的な悲劇が訪れ、彼女は恐慌にかられて逃亡を開始した。自分は人を殺したのか? 自分は狂気に捕らわれてしまったのではないのか? そんな彼女をずっと見つめるフランツ。彼の暗い歩みとソフィーの狂気の逃亡が交差するとき、おそるべき罠が全貌を明らかにする!
底知れぬ狂気と悪意が織りなす恐怖の犯罪計画。驚愕の四部構成の最後に浮かび上がるのは恐怖の肖像――
あなたの心を凍らせる衝撃と恐怖の傑作サスペンス。
潜入捜査ものである。海外ミステリーで、アガサ・クリスティー氏とジェフリー・ディーヴァー氏以外のおもしろい作品を5作品ほど教えてほしい。そう言われたら、まっさきにこの作品を教えるだろう。傑作である。
海外ミステリーを読んだことがない人であっても、さすがに“アガサ・クリスティー”という名前を聞いたことがあるだろう。そのアガサ・クリスティー氏のおすすめ作品を知りたい人は下の記事を参考にしてほしい。

犯罪組織の中枢にまで潜り込んだスウェーデン警察の潜入捜査員パウラ。組織に与えられた任務は、刑務所内に麻薬密売の拠点を作ることだった。秘密裏に政府上層部のお墨付きを得たパウラは、巧妙な手段で麻薬を所内に持ち込み、ライバル業者を蹴落として商売を始めた。だが、パウラの正体を知らないまま、入所前に彼がかかわった殺人事件を捜査するグレーンス警部の追及の手が迫るのを知った政府上層部は非情な決断を下す…。英国推理作家協会(CWA)賞受賞、スウェーデン最優秀犯罪小説賞受賞。
好き嫌いがはっきりわかれる作品だろう。内容に触れるとおもしろくなくなってしまいそうなので、未読の方のためにいっさい説明はしないでおこうと思う。
【English Edition】
【Amazon】『Gone Girl: A Novel』
【Kindle】『Gone Girl (English Edition)』
ニックは三十四歳、ニューヨークで雑誌のライターをしていたが、電子書籍の隆盛で仕事を失い、二年前、妻エイミーとともに故郷ミズーリに帰ってきた。しかし都会育ちの妻にとってその田舎暮らしは退屈きわまるものだった。結婚五周年の記念日、エイミーが、突然、謎の失踪を遂げる。家には争った形跡があり、確かなアリバイのない夫ニックに嫌疑がかけられる。夫が語る結婚生活と交互に挿入される妻の日記。異なるふたつの物語が重なるとき衝撃の真実が浮かび上がる。大胆な仕掛けと予想外の展開、「NYタイムズ」で第一位に輝いた話題のミステリ登場。
主人公は弁護士である。若いころ、詐欺やスリを稼業とし、ゴロついた生活を送っていた。だが、自身が訴追された事件を担当した判事から励ましをうけたことをきっかけに改心し、ロースクールに進んだ結果、弁護士となった。
マフィアの陰謀に巻きこまれる。マフィアからの要求を呑まなかったときは、「自身と愛娘を殺す」と脅迫されるのだ。
愛娘をマフィアに誘拐され、自身の着衣には爆薬を装填されという極限のピンチの状況で、マフィアと行動をともにしなければならない。そしてマフィアからの要求は、マフィアのボスを容疑者とする裁判の法定内で、ボスに不利な証言をしようとする証人を爆死させることだった。
マフィアとの闘いと、法廷シーンとが交互に展開していく。その両方の場で、次々とピンチに見舞われる。しかし、ごろつき時代の人脈や過去に備えた腕力と、弁護士の手腕を活かすのである。スピーディーに展開し、楽しませてくれるだろう。
二十四時間裁判に関わり、自らの魂をすり減らし、家庭をかえりみることができない―ニューヨークの弁護士エディー・フリンは、酒に溺れて妻から見放され、いま町をさまよい歩いていた。そんな時、ロシアン・マフィアが彼を脅迫する。要求をのまなければおまえの娘を殺害する。十歳の愛娘が拉致され、いま命の危険にさらされている。マフィアのボスは、自分に不利な証言者を殺害しろという難題を突きつけてくるが…。
上記の12作品はすべて傑作であるため、読まないのはもったいないと思う。そして、ひとりでも多くの人の参考になれば幸いである。
2018年12月27日に発刊された『カナリアはさえずる』は、マイクル・コナリー氏が絶賛した作品!

国内ミステリーも好きな人には、下の4つの記事を読んでもらいたい。その結果、すこしでも参考になれば幸いである。
コメント
はじめまして。通りすがりのトモミと申します。読書が好きでミステリを原書で読む練習中です。英語ですと読むのがまだまだ遅いので、絶対にハズレを引きたくありません。面白そうなミステリを探していてゴリラさんのこちらへ迷い込みました。
Amazon Kindle版 EnglishVersionがある洋書はリンクを張っていただけるとものすごく嬉しいです。多読が流行っているようですし、他の方も喜ばれるかと思います。
トモミ様、はじめまして。コメントをいただき、ありがとうございます。
英語が大の苦手であるわたしは、多読が流行っていることを知りませんでした。そのためネット検索したところ、「多読ブーム」という記事をいくつか見つけておどろいたほどです。
そして、だれかのためになるのであれば、EnglishVersionがある洋書のリンクを張ろうと思います。時間があるときに少しずつ書き足していこうと考えていますので、3日ほどいただければ幸いです。
貴重な意見をいただいたことにお礼申し上げます。
トモミです。English Version へのリンク、感謝感激です。次に読む本を探すのに数日かけていましたが、おかげさまでもう次の本を決めました!本当にありがとうございます。
また(読むのが遅いので)時々寄らせていただきます。
トモミ様、コメントをありがとうございます。
「翻訳もののリンクといっしょに並べるとかなり多くなってしまい、見づらくなるな」といろいろ試行錯誤していたため、対応が遅くなりました。
にもかかわらず、「感謝感激」と言っていただいてありがとうございます。
次に読む本を決めることができたようなので、わたしもうれしく思います。どの本にしたのかと気になりますが……。
また、暇なときにでも遊びにきてください。(^o^)v